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加藤真史
1983年 愛知県瀬戸市生まれ。東京都町田市在住。2012年 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻油画領域 修了。
「郊外・風景・地図・民間伝承」が主題。自らの原風景である郊外をフィールドワークし、街を形作る要素をリサーチして制作する。
また風景論・都市論・郊外論・路上観察学・民俗学・地理などを取り入れて執筆も行い、制作に反映させる。近年では主に関東地方の養蚕業をテーマとしている。
古代に大陸より列島に伝わり千数百年にわたって人々の間に浸透し、幕末から戦後にかけては国家規模のものとなったがその後急速に喪われていったこの産業に携わった女性たちや養蚕信仰について、現代の視座から追いかけている。

作品はイメージです
「八王子ヴェセル – 聚合と伏流、八王子という盆地の舟 -」
加藤真史はライフワークとして近代以降の養蚕の歴史を丹念に調べ上げ、街道や史跡を歩きながら作品を制作している。
本作品では八王子から横浜へと続く「絹の道」の出発点となる八王子を舞台に、主に養蚕業・養蚕信仰という視点で作者の解釈と共にひも解いていく。
東の海(古代インド)から常陸国(茨城県)へ漂着したといわれる養蚕の神「金色姫」は、自らの分身である蚕や生糸となって関東平野各地の桑海を渡り、
生糸や絹織物という輸出品として「桑都」八王子に集まり、さらにそれらは「絹の道」に沿って横浜へと辿り着き、再び海へと還っていった。
金色姫が大きく円孤を描いて古代から近代にかけて時空間を越えて渡った「航路」を辿る。