Machiiro Project
|マチイロ・プロジェクト
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舟の上で
本展の会場である空間堂シェアアトリエはかつて、絹織物会社として多くの人が織物の仕事に従事する場でした。一度幕を閉じたその建物には、時を経て再び作家が集い、作品制作の場へとなりました。
舟の形をした織道具のシャトルになぞらえ、このシェアアトリエを一つの「舟」と捉えています。その「舟」に乗り合わせた5人の作家が、制作の拠点とするこの土地の歴史や自然、空間、拾い集めたものたちに目を向けて応答した作品を展示します。
いつの時代にも人の手によって普遍的に続けられてきた「つくる」行為を通して、場との関わり方を見つめる機会となれば幸いです。-
イ・ヘリム
韓国生まれ、日本在住。時間と記憶、そして日常に潜む忘却の感情を主題に制作を
行う。自身で漉いた紙を用い、素材と手作業の反復によって、抽象的な概念である
「時間」の物質化を試みる。記憶が薄れていく感覚や、繰り返される日常の中に潜
む一瞬の感情をすくい取るように、層を重ねた紙の表現に昇華している。2024年多
摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号(美術)取得。 -
小野坂葉子
絣織の技法の仕組みに着目し、テキスタイルの制作を行う。あらかじめ防染し染め
分けた糸を用いて文様を織り出す伝統的な絣織技法を扱い、その手法の制約の中で
生まれる色・かたち、特有の視覚的効果によって文様を描くことを探求している。
2024年多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程デザイン専攻テキスタイルデザ
イン研究領域修了。 -
河﨑日菜子
織物作家。風土に根ざした染織文化への理解を深めるなかで、人の手と繊維素材の
関わりを見つめ制作を行なって来た。工房「空間堂」内のシェアアトリエの立ち上
げに携わり、その場所を拠点にする。現在は京都に移動し活動中。
2018年 多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻卒業
2019-2021年 紅露工房(西表島) 研修生
2021-2025年 多摩美術大学テキスタイル研究室 副手、助手として勤務
2025年- 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程在学中 -
鶴見朋世
素材の組み合わせや構造から生まれる奥行きある表情を探求し、人・素材・空間の
関係性をテーマに制作。繊維を言語と捉え、視覚を超えた対話を可視化することで
感覚を拡張。空間に漂う余白や瞬間をとらえ、詩的な世界を紡いでいる。 -
松田光二
身の回りの道具などの造形活動を通して、古い家屋で使われてきた土壁、海辺で拾った石、使われることのない木片や忘れられようとしている技術の中に、我々、人との新たな関係性の可能性を見出して活動しています。
1955年 長野県松本市に生まれる
1979年 多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻卒業
1995年 独立、屋号「空間堂」として府中でデザイン活動を始める
2022年 八王子中野上町に工房を移す
テキスタイルを中心としたシェアアトリエを併設
若い作家と共に造形活動、現在に至る
- 日程
期間中の金土日祝
- 時間
10:00~17:00
- 会場(住所)
会場:空間堂シェアアトリエ
住所:東京都八王子市中野上町1-26-3 空間堂
- 料金
入場無料
- 制作
主催:空間堂シェアアトリエ
- 問い合わせ
(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団
042-621-3005(9:00~17:00)
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